薬の疑問・不安

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Q:解熱剤は使ったほうがいい?

◆坐薬の解熱剤を処方されましたが何となく抵抗を感じて使いませんでした。使ったほうがいいのでは 何才くらいからですか?
◆「38.5度以上の熱が出たときに使ってください」と解熱剤をもらいましたが、38度くらいで苦しそう。結局、使いませんでしたが、使ってもよかったのでしょうか?
◆総合病院で受診のたびにドクターが違うのですが、「熱でつらそうなら解熱剤を使ってね」というドクターと、「なるべく使わないでね」というドクターがいて迷います。

A:

お母さんが迷うのも無理はありません。乳幼児に対する解熱剤の使用は、医師の間でも意見がいろいろだからです。「ダメ、使わないほうがいい」と言う医師もいれば、「症状に応じてじょうずに使いましょう」と言う医師もいます。
 ただ、少なくとも5~6才以下の子に安心して用いることのできる解熱剤成分は、アセトアミノフェンだけ。これについての意見は、一致しています。これ以外の成分を使う医師は、小児科専門医なら、まずいないと思います。
 ぼく自身は「本人が熱で苦しいなら、じょうずに使ってあげてよい」という立場。目安は確かに38.5度ですが、つらそうなら38度で用いてもかまいませ ん。解熱剤を用いてもそれは一時的な効果ですし、病気そのものが治るわけではありません。熱が下がって楽になる、眠れる、水が飲めるなどのことが大事なの です。
 なかには「解熱剤を使ってしまいました」と申しわけなさそうに言うお母さんもいますが、そんなふうに使用に罪悪感を持つこともないと思います。
 実際、解熱剤を使わずに本人が快適になるまで熱を下げてあげるのは至難のワザです。市販の熱冷まし用シートについての質問も多かったのですが、これも気持ちはいいかもしれませんが、熱を下げる効果はありません。
 むしろ熱を下げてあげたいなら「スポンジング法」がおすすめです。これは30度くらいのぬるま湯でしぼったタオルでおなかや背中をふき、タオルがあたた まれば取り替えて、繰り返し15~20分つづける方法です。これで、うまくいけば通常は38度台まで下げられます。お試しください。

<< 薬の疑問:不安Q&A TOP へ戻る : 08年08月06日更新

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